今回は博多・西中洲で途方に暮れて
飛び込んだら奇跡的に入れた
おでん屋「安兵衛」の話。
見事な飴色酒場だ。
あてがはずれた中洲の夜
2018年の11月。
この年は仕事がらみで
全国への出張もあって
特に福岡は年数回尋ねる機会があった。
仕事終わりの時間もわからなかったし
どうせ一人飲みだから
多少の人気店でも
予約なしで入れるだろうと
タカをくくって
前から行こうと思ってた
中洲のランドマーク居酒屋に17時頃飛び込んでみた。
「酒一番」。
名前から素晴らしい。
1階はカウンター&テーブル、
2階は座敷の大型店だから
最悪でもちょい待ちで済むだろうと思って
扉を開けたら満席。
このあと予約客も入ってて、
20時過ぎじゃないと入れるかどうかもわからないと。
人気店の覚悟はしてたけど、
まさか一人でも入れないとは。
放浪開始
2時間待つのもなんだし
一人飲みだから
他探せば見つかるだろうと思って
ここはあきらめて
中洲放浪巡業に出ることになった。
もう1軒当てにしてた
うどん居酒屋に行ってみると
なんと臨時休業。
やばい。
ここまで来てチェーン居酒屋の選択肢はないし
屋台の気分でもない。
呑むとあんまり食えなくなってしまうから
理想は飲み主体でつまみは少々。
客を放っておいてくれそうな店。
5000円以内が理想。
たまによさそうな店を見つけても
まだ18時前で
微妙に営業時間前だったり
予約で埋まってたり。
一旦悪いほうに流れると
ハズレのオンパレード。
飛び込む勇気もどんどんなくなってくる。
未踏の地、西中洲へ
結局中洲では店を決めきれず、
気付けば中洲の川っぺりあたりまできた。
もうすぐ19時だ。
屋台もなんだか客が埋まってきてるし
プレッシャーに押しやられる感じで
ついに橋を渡って
今まで行ったことがない西中洲へ。
本島・中洲と違って
こっちは薄暗い隠微な感じだ。
小料理、割烹の和食系から
おしゃれ系バルやイタリアンもある。
赤坂の裏通りみたいな感じだ。
おっさん一人で
入れそうな店がなさそうだなぁ
と思った時だ。
おぉ、
なんかよさげなフェロモンが漂ってくる。
おでん屋だ。
東京のおでん屋は
1万円くらうこともあるけど
ほかに選択しないし
様子見ながら発注してみればいい。
入る前に食べログ調べると
値段はそんなでもないけど
予約なしではなかなか入れない店らしい。
まぁ、だめもとで入ってみよう。
西中洲の老舗「安兵衛」
引き戸を開けて入ってみると
左に逆L字カウンターに
右手は大テーブルが3卓ほど。
客は3人くらいしかいない。
「予約してないんですけど大丈夫ですか?」
と聞いてみたら、カウンターOKとのこと。
奇跡的に飛び込み入店できた。
店の中はこんな感じ。
見事な飴色の世界。
値段も安い。
いーじゃないか。
とりあえずビール。
店内もツユも飴色
がんも、つみれに大根をオーダー。
濃い飴色に見えるツユは
上品な味わい。
写真にはないけど
卵は殻付きで
生から4日ツユで茹でるとのことで
水分も飛ばず白身もモチモチだ。
19時半頃になると予約客も入ってきて
いつの間にか店内は盛況だ。
結局ビールに熱燗とおでん5品で
3000円ちょいと良心的。
アタリだなぁ。
放浪してよかった。
店を出ると
飴色エキスがしっとりと滲み出てるように見える。
そんな「安兵衛」をエクセルで描いてみた。
エクセル画のスペック
2020年7月制作。
パーツ数530。
1階の玄関周りから描きだして
順調に進んだけど
2階の窓の格子と壁の線が
角度も色合いも違うから
コピペなしの1つづつ描き起こし。
そして銭湯でも苦労した瓦屋根だ。
室外機も単調だったなぁ。
手間がかかって
1000パーツ越えと思ったら
その半分くらいだった。
描く前は、フラットで単調な画に
なるかもと思ったけど
玄関と壁の明かりの色合いが
うまく決まって何とか着地。
コロナはまだ落ち着かず
しばらく遠征もできそうもない。
また博多行けるんだったら、
夏でもここでおでんだなぁ。
早く落ち着いてほしいねぇ。
酩酊したい。
おつきあいありがとうございました。