
徒歩で移動しながら飲み歩く「せんべろウォーク」。
今回は、山手線内でも有数の花街、そして石畳の街、神楽坂をだらだらと昼飲みしながら巡ります。
エリアが狭いため、移動はすべて徒歩での巡行。
もちろん“せんべろ”企画なので、「神楽坂的黒塀」な高級店は対象外。
今回は自分含め2名での巡業。
ちなみに今回はあらかじめ行程表を作って決行。

実際はこの通りにはならなかったので、最後までお付き合いください。
- 13:15 1軒目 中華「龍朋」
- 15:20 2軒目 角打ち「飯島酒店」
- 16:15 3軒目 角打ち「伊東酒販」
- 17:15 4軒目 立飲み「カド」
- 17:45 5軒目 「伊勢藤」
- 19:00 6軒目 角打ち「杉山商店」
- 20:00 7軒目 「大衆割烹 三州屋飯田橋店」
- まとめ
13:15 1軒目 中華「龍朋」

もう10月も後半で、9月までの猛暑から一転、上着なしでは肌寒い季節になってきた。
今日は有楽町線の江戸川橋から坂道を上り、神楽坂に向かう。
昼時スタートなので、まずは腹ごしらえも兼ねて、“食べて飲める店”ということで、神楽坂の人気店「龍朋」へ。
ここは『孤独のグルメ』にも登場し、チャーハンが人気の店だ。

昼時だし多少の並びは覚悟で行ってみたら、やはり10名以上の待ち。
待ち3組くらいになると、あらかじめ注文を聞かれる仕組み。
人気店なので、追加注文できるか聞いてみたらOKとのこと。

酒類は瓶ビール、紹興酒、日本酒の3種のみ。
町中華なので餃子はあると思ったら、意外にも無い。
ではスターターでビール、メンマ、チャーシュー、肉野菜炒めをオーダー。

30分ほど待って席に案内されたら、ビール、メンマ、チャーシューがすでに並んでいた。
店内は2~4人卓が10卓ほど。キャパは20人ほどか。
行列店なので、店側から煽られるかと思ったけど、まったくそんな気配はない。

次は15時開店の角打ちまではつなぎたいので、料理をつまみながらビールを4本ほど空け、
そして「名物」と言われるチャーハンは押さえておきたいので、1人前オーダー。

チャーハンは900円。そして結構な量。角切りチャーシューがゴロゴロ。
しっとり系でもベタベタしていない。どちらかといえば「しょっぱい」。

そういえば肉野菜炒めもしょっぱ系。
でもビールのアテとしてはいい感じだ。
食べ終わって14時半。店に出たらまだ10人以上並んでいる。
だらだら飲み食いして失礼しました。
一人2700円の仕上がり。
江戸川橋駅からのルートはこちら。
https://maps.app.goo.gl/MytVNgP56KF2PbZs9
徒歩11分で700m。
15:20 2軒目 角打ち「飯島酒店」

1軒目から結構な量を食べてしまったので、かなり腹にたまってしまった。
ということで、腹ごなしに近所を散策する。

立ち寄ったのが「赤城神社」。
社屋は建て替えられ、社務所も上層階がマンションになっているというモダンなリノベ物件だ。
この先も健康に飲めるよう祈願して、次の店へ向かう。
到着したのは角打ちの「飯島酒店」。
最寄りは大江戸線・牛込神楽坂駅。歩いて10分ほどのはずが、迷って結局20分近くかかった。
こちらは酒の小売り・卸がメインで、立飲みオンリーの正統派角打ち。
店内飲食は15時スタート。
店内には飲んでいる不肖の輩はいない。コロナ以降では久しぶりの再訪となった。

システムが今年10月から変更になったとのことで、「角打ち利用料」が一人200円。
2回目以降は発生しないとのこと。
「角打ち営業」維持のための協力金ということらしい。
また、飲み物以外に一人一品以上のつまみ注文が必要だけど、サービスの冷奴を出してくれた。
つまみは乾き物がメインで、利用料を合わせても良心的な価格設定。


飲み物は在庫潤沢な冷蔵庫からセルフピックアップ。
別の冷凍庫にはパウチ入りの「シャリキン」もある。
そうなると、ここは白ホッピーセットで。これで330円。安い。

店内には昔の店舗写真や高倉健のビールポスター、そしてアサヒビールのレトロ商品が並ぶ。

大将は阪神タイガースのファンらしく、ユニフォームや応援グッズも飾られており、眺めながら飲むのが楽しい。

商品や装飾物も多いながら、整理や手入れが行き届いていて、凛とした雰囲気が漂う。
常連との写真も多く、近所の仕事帰りのサラリーマンが中心らしい。夜はかなり賑わいそうだ。

結局ここでは、利用料と乾き物を合わせて690円。
まだ腹もいっぱいなので、歩いて神楽坂方面へ戻ることにした。
「龍朋」からの本来辿るはずだったルートはこちら。
https://maps.app.goo.gl/NnnHqwGs4fQR9dtn9
徒歩11分で750m。
16:15 3軒目 角打ち「伊東酒販」

今度は、神楽坂のしとやかな花街の空気を浴びながら裏通りを抜け、ほぼ飯田橋近辺まで移動。
大久保通り沿いに、ちょっと見はぶっきらぼうな印象の建屋があり、そこに「伊東酒販」がある。
長野の酒蔵で「横笛」という日本酒を造っている蔵が直営する角打ちだ。
ここも営業は15時からで、つまみは16時以降の提供とのこと。
店に入ると、左手に椅子付きカウンター、右手は立飲み用のI字カウンター。
しっかりとした調理ものつまみもあるけど、まだ腹に余裕は無いので、飲み物だけにする。

酒屋だからコップ売りもあるかと思ったら、基本は1合か4号瓶単位で買うことになる。
他は缶ビールくらいしか見当たらない。
料理も頼むなら最後にまとめて会計、飲み物だけなら都度払いのシステムだ。

ここでは蔵元が出している日本酒しかないので、主力銘柄の「横笛」純米を1合で。
他に客もいないし、カウンターに座らせてもらう。
初めて飲んだけど、甘すぎず、さらりとして飲みやすい。ぬる燗でも良さそうだ。

料理は日替わりらしく、ボードに8品ほど書かれている。
肉豆腐や砂肝炒め、豚汁に、なんとあんかけ焼きそばもある。しかも600円。
でも食えない。
結局「横笛」1本でごちそうさま。
ここでは460円。
次は、再び神楽坂駅方面に戻っていく。
「飯島酒店」からのルートはこちら。
https://maps.app.goo.gl/r4SiJ4EEvoiMWTNP8
徒歩12分で950m。
17:15 4軒目 立飲み「カド」

次は大久保通りを神楽坂上交差点まで登っていく。
向かったのは「カド」。その名の通り角に建つ店で、しかも黒塀が印象的だ。

高そうなオーラが漂っているけど、入り口が2つ並んでいて、左がお座敷のコース、右が立ち飲みスペース。
壁には「とんかつ」の提灯が出ている。これは昔は無かった気がする。
もちろん右側から入る。
ここもコロナ以降、久しぶりの訪問。
古民家リノベ物件で、左のお座敷コースも5000円前後と、そんなに高くはない。

立飲みスペースは壁際にカウンターがあり、10人も入れない広さ。
右側だけに椅子があって座れるけど、到着時点では埋まっていたので立飲みで。

右手カウンターの窓際には酒関連の書物が置かれていて、一人ならこれを読みながら飲むのもアリという、静かな少人数仕様の店構えだ。

黒板のような壁一面に、立飲み用おつまみがチョークで書き出されている。
この時期はおでんも登場している。
飲み物はまず緑茶割りでスタート。

何かつまもうと思ったけど、「一人一品」の縛りも無いので、申し訳ないけど飲み物一杯だけにしておく。
ここは本飲み前の0次会か、帰宅前の一杯でサクッとあげるお店なので、長居せずに次に向かうことにする。
結局ここでは400円。
「伊東酒販」からのルートはこちら。
https://maps.app.goo.gl/Mtk94UpKvuwbPv3B6
徒歩9分で550m。
17:45 5軒目 「伊勢藤」

次は今回唯一の「神楽坂らしい」趣のある、座って飲める居酒屋「伊勢藤」へ。
飯田橋に向かってメインの通りを下り、左の脇道に入ったところにある。
はっきり言って「せんべろ」の店ではないけど、せっかくなので寄ってみよう。
10年以上前、「大人の酒場につれてってやる」と当時の新卒社員を連れて行った以来だ。

囲炉裏のある土間のカウンター席はほぼ満席だったので、靴を脱いで小上がりの座敷に通される。
風情的には、鶯谷の老舗酒場「鍵屋」に通じる飴色の江戸酒場だ。

そんな店なので、大人数でワイガヤするとお店から注意される。
酔って話し声や笑い声が大きくなると、
「お静かに」
とのお達しが出る。
若手を連れて行った段階から、注意フラッグが立つお店なのだ。
今回はおっさん二人だし、長居するつもりもないので、たぶん注意されないだろう。

ここにはビールや焼酎はなく、酒は白鷹の一本勝負。ぬる燗でいただくことにする。
木札のお品書きには値段が書かれていない。

つまみは納豆にうるめ鰯の丸干し。酒を飲っていると、ちくわやお新香が乗った小鉢が登場。
そうだ、お通しが出てくる店だった。
せんべろばかりしていると、お通しに遭遇することがなかったので、失念していた。

お銚子をもう1本追加すると、お椀も出てきた。
うれしいけど、これもお通しのセット物。

周りも妙齢な客層で、黙々と静かに杯を傾けている。
座敷で腰と膝もこわばってきたので、このへんで撤収する。
〆たら一人3700円。神楽坂にしちゃ安いけど、今回の最高値酒場だった。
「カド」からのルートはこちら。
https://maps.app.goo.gl/GmGbYmb6UexgPNST8
徒歩6分で450m。
19:00 6軒目 角打ち「杉山商店」

足腰のリハビリをかねて、今度は神楽坂を下りて飯田橋駅を越え、九段下方面へ向かう。
飲食店に挟まれた一角に「杉山商店」という角打ちが登場する。
ここは同行の連れによるレコメンドで、当初の行程表には入っていなかった店だ。
一見食品雑貨店のような佇まい。
無意識に歩いていたら、ここで飲めるとはだれも思わない、まさしく「ステルス物件」だ。

ビール箱を重ねたような仮設テーブルでは、既に4人組の先客が酒宴を開いている。
こちらは奥の壁向かいのカウンターに陣取る。ここも完全立飲みスタイルだ。

ここでも、「角打ち維持料金」的な料金が発生。もっとも、空き缶回収手数料として5円が追加される程度だ。
そして飲み物とつまみを合わせて、最低2品目(またはつまみのみ)を最初に発注する必要がある。

ということで、サワーとソーセージあたりを注文(このへんからよく覚えていない)。

2軒目に行った「飯島酒店」と同じ「角打ち」ながら、なんとなく雑で荒んだ雰囲気が漂う。
店内が喫煙可だったので、長年のヤニの蓄積もあるんだろう。
それはそれで「ワイガヤ系」角打ちに磨きをかける風情かもしれない。
こちらは500円の仕上がり。
「伊勢藤」からのルートはこちら。
https://maps.app.goo.gl/8wasPjXryVw2DqHPA
徒歩14分で1000m。
20:00 7軒目 「大衆割烹 三州屋飯田橋店」

とどめの店を目指して、飯田橋方面に戻っていく。
到着したのは、「三州屋飯田橋店」。
ここは銀座にある「三州屋本店」の暖簾分け店。
銀座の方へはよく行くが、飯田橋店は初めてだ。
メニュー構成もほぼ同じで、店内は白木のカウンター、右手にテーブル席、奥に小上がりという構成。
今は無くなってしまった「三州屋銀座一丁目店」に雰囲気が似ている。

店内には既に出来上がっている先客で8割がた埋まっている。
こちらは入り口近くのカウンターに着座。

「大衆割烹」だけあって、壁にぶら下がっている短冊のお品書きもほぼ1000円以下。
「三州屋」は刺身や焼き、煮、揚げといった魚料理が潤沢で、飯田橋店にも名物の「鳥豆腐」があった。


ここでは緑茶割りとトマト、たらこ焼きを発注。
やはりもう食えない。鳥豆腐はパスだ。

場所と店柄で客層は仕事上がりのネクタイ系グループがほとんど。
私服で昼から飲んでいるような輩は見当たらない、サラリーマンの王道酒場だ。
今日は7軒踏破でかなり飲んだから、1杯で切り上げることにしよう。
一人ちょうど1000円で終飲。

「杉山商店」からのルートはこちら。
https://maps.app.goo.gl/w97SNWqaB7uT7WfL6
徒歩7分で500m。
まとめ
今回の「せんべろウォーク神楽坂」7軒のまとめ。(料金は一人当たり)
①13:15 「龍朋」 2700円
②15:20 「飯島酒店」 690円
③16:15 「伊東酒販」 460円
④17:15 「カド」 400円
⑤17:45 「伊勢藤」 3700円
⑥19:00 「杉山商店」 500円
⑦20:00 「三州屋飯田橋店」 1000円
飲み代合計は9450円なので1軒1350円の仕上がり。
移動距離は
①「龍朋」まで徒歩11分で700m。
②「飯島酒店」まで徒歩11分の750m。
③「伊東酒販」まで徒歩12分の950m。
④「カド」まで徒歩9分の550m。
⑤「伊勢藤」まで徒歩6分の450m。
⑥「杉山商店」まで徒歩14分で1000m。
⑦「三州屋飯田橋店」まで徒歩7分の500m。
歩きは合計で60分、4900mの移動。
このあと寝過ごさず無事帰還。
あれだけ腹が減っていなかったのに、地元着いたら最後は日高屋でまぜそばに緑茶ハイ。
おつきあいありがとうございました。
酩酊。
