
徒歩で移動しながら飲酒巡業する「せんべろウォーク」。
今回は、両国からスタートして、亀戸から森下あたりを猛暑の最中にだらだら飲み歩きします。
全部で7軒の巡業。
- 10:30 1軒目 「下総屋食堂」@両国
- 11:20 2軒目 「昼呑 吾嬬町」@亀戸
- 13:30 3軒目 「亀戸ぎょうざ 両国支店」
- 14:20 4軒目 「資さんうどん 両国店」
- 15:00 5軒目 「田口屋本店」@森下
- 16:00 6軒目 「みたかや酒場」@森下
- 17:50 7軒目 「加島酒店」@人形町
- 18:40 8軒目 「ニューカヤバ」@茅場町
- まとめ
10:30 1軒目 「下総屋食堂」@両国

7月中旬、関東地方はまだ梅雨明けしていないと言いながら、連日の35度越え。
奇数月は大相撲の本場所をやっているから、両国あたりは混むかと思ったけど、
7月は名古屋場所なので、国技館周りも閑散としている。
この辺は、APAホテルとかオフィスビルとか、高層建造物がいつの間にか増えている。
そんな現代化の波のすぐ隣に、よれよれの感じで営業しているのが「下総屋食堂」。
ご覧の通り、壁の屋号の「下」が欠け落ちているけど、朝から営業していただいている頑強なお店だ。
入口の扉は全開なので、予想通りエアコンはない。
自然風とともに朝酒を味わいに入店する。
店内には80歳くらいの女将さんがテーブルに着座したままで、客の注文を奥の厨房に伝えたり、お店のガイダンスをしている。

先客2名は(飲まずに)朝食中だ。
一方で、本日同行する連れは、すでにビールで体を冷やしている。
こちらも同じく黒ラベル大瓶をオーダー。600円。

店は冷えていないが、ビールはしっかり冷えている(でもグラスは常温)。
入口はもちろん、店内の小窓も全開だけど、生暖かい風にビール瓶の表面には水滴がにじんでくる。
この暑い時期は、午前中の訪問がおすすめだな。
壁には焼き・煮魚と小鉢の厳選された短冊メニューがぶら下がっていて、小鉢は200円と良心的。

これとは別に、日替わりと思しき小鉢が厨房前・神棚下のショーケース(冷蔵機能のないただの棚)にも出ていて、こちらはセルフピックアップスタイル。
朝飯を食べてきたばかりなので、つまみは連れが取ったキムチのおすそ分けをいただく。

ブラウン管のTVでは、週末に投開票される参院選で「自公過半数維持微妙」とワイドショーが流れている。
時間が止まったような空間だ。
ビールを飲み干したので、さっそく次の店に向かうことにする。
一人700円。
両国駅からのルートはこちら。
https://maps.app.goo.gl/Cd14bzEHMPFFvkhg7
徒歩4分で300m。
11:20 2軒目 「昼呑 吾嬬町」@亀戸

2軒目は電車で2駅移動して、人生2回目の亀戸に上陸。
駅の南口を出て、京葉道路を渡り、住宅地を進んでいくと、まるでネタのような大陸仕様の巨大飲食ビル「九龍城」が出てきた。

相当な勇気を持っていないと入れないし、ここが目的地ではない。
その1ブロック先にある「昼呑 吾嬬町」が今回のターゲット。

赤提灯は出ているけど、暖簾は出ていない。ダメもとで扉を開けてみると、店主が掃き掃除をしていた。
開店前かと聞いてみたら、
「さっき、たちの悪い酔っ払いに帰ってもらって、片付けしてるんですよ」
とのこと。
確かにネット情報では、朝7時から営業していることになっている。

店内はカウンター席とテーブル席の造りで、入口付近には大漁旗が飾られていて和風のムード。
ただ、カウンターまわりはスナックの居抜きっぽい造りになっている。
大型ディスプレイからは、YouTubeで80年代歌謡曲がエンドレスで流れていて村下孝蔵の「初恋」が沁みてくる。
もちろん冷房はガンガン効いていて、自然風のみだった前の店に比べれば天国のようだ。

この店は7時〜19時の営業なのに、なぜか木・金は13時で早じまい。
マスターになぜ週末に早く閉めるのか聞いてみると、
「朝は来るけど、経験的に木金は遅い時間に客が来ないんですよ(といっても19時までだけど)。
店を開けててもしょうがないから、昼でおしまい。この辺の店も木金はあんまり来てないみたい」
とのこと。
確かに、駅前には大量の飲食店が待ち構えている。
木金は駅前に客をさらわれてしまって、国道を渡った住宅地までは流れてこないようだ。

15時くらいまでやってくれたら、もう少し腰を落ち着けて飲めるんだけど、13時から入れる飲み屋は限られている。
酒のおかわりとウィンナー炒めをつまみながら、13時まで粘って次の店の作戦を立てることにする。
それにしても、朝から飲めるお店はありがたい。
ここでは一人2,400円。
「下総屋食堂」からのルートはこちら。
https://maps.app.goo.gl/7w2NgW6TMgwQmb7R6
総武線で2駅150円。
徒歩部分は12分で900m。
13:30 3軒目 「亀戸ぎょうざ 両国支店」

この時間帯になると、飲める店は食事メインのところが多くなってくる。
そこで立ち寄ったのが「亀戸ぎょうざ 両国支店」。
「亀戸ぎょうざ」は亀戸本店のほか、隣の錦糸町にも支店があるが、このあと予定している店までの動線を考え、いったん両国に戻ってここに入ってみた。

昼どきとあって、店内はほぼ満席。でもカウンターに空きがあり、なんとか着席できた。

メニューには麺類や炒め物もあるが、やはりここは“ギョービー”の鉄板構成で。
餃子は一皿300円と安く、皮パリパリ・餡ふわふわの食感。ニンニク控えめで、箸もビールも止まらない。

ここで腰を据える選択肢もあったが、夕方の“本丸”に備えて腹はほどほどにしておきたい。店内も混みはじめたので、早めに撤収することに。
滞在時間30分。
お会計は一人700円。
次は、あまり食べなくて済みそうな店に移動しよう。
「昼呑 吾嬬町」からのルートはこちら。
https://maps.app.goo.gl/Mcw5tE77TXiE6NVn7
総武線で2駅戻って150円。
徒歩部分で12分900m。
14:20 4軒目 「資さんうどん 両国店」

4軒目は「食わずに飲める店」となると、営業している酒場が見当たらない。そこで見つけたのが「資さんうどん」。
京葉道路沿いのマンション2階に構えている。
関東圏第1号店で、大行列になる様子がワイドショーでも取り上げられていた。入れるかどうか不安だったけど、大型店であることと、昼食時を外していたおかげで、すんなりと着座できた。

造りは、完全にファミレス仕様のボックス型。
そういえば、小倉遠征でも「資さんうどん」にお世話になり、やたら甘いレモンサワーにやられた記憶がある。今回はそれを避け、プレーンのチューハイを注文。これは甘くない。

つまみはごぼ天のみ。タッチパネルでの発注なので、少ない注文でも気兼ねなく済む。
結局ここも、一人700円。
次は、森下方面へ南下しよう。
「亀戸ぎょうざ両国支店」からのルートはこちら。
https://maps.app.goo.gl/7uoejgvQmkTy9aCq5
徒歩6分400m。
15:00 5軒目 「田口屋本店」@森下

本丸の店が16時開店なので、もう1杯飲んで時間を調整する。
清澄通りを南下し、森下駅近くにあるのが、この日初めての角打ち「田口屋本店」。酒屋の店内の一角で立ち飲みができる。
店先には外飲み用のテーブルと椅子もあるが、暑いのでそこは回避。

店に入り、最近ハマっている翠ジンソーダを冷蔵庫から取り出し、立ち飲みテーブルで開缶する。つまみは角打ちの相棒・CRATZ。
そういえば近所に銭湯があり、ひと汗流す手も一瞬考えたが、次の店までの時間があまりないので、素直にギリギリまで角打ちで涼を取ることにした。

下町の角打ちとはいえ、15時過ぎの店内で酒を飲んでいるのは、ウチラだけ。静寂の時間に、汗が引いていく。
次の店が16時に開店する(との未確認場がある)ので、1杯で〆て移動。
一人400円。
「資さんうどん」からのルートはこちら。
https://maps.app.goo.gl/LyrvA5ZUYhhLJnuXA
徒歩15分2.1km。
16:00 6軒目 「みたかや酒場」@森下

この日のメインイベント酒場は「みたかや酒場」。
SNSではコアな酒場ファンからの評価が高い店で、以前19時過ぎに行ってみたら、満員で入れない時があって以来の訪問。
今回は再チャレンジ案件になる。

ネット上では17時開店となっているけど、店側の準備次第で16時~16時半くらいには口開けするとのこと。
16時目指して店に着いたけど、まだシャッター武装状態。待っている客はいないので、ウチラが一番手で待つことになる。
10分過ぎたくらいから、振り返ると行列ができてきた。
そして16時半についにシャッター開放。待ち客は10名近くになっていた。

外観はフツーの店舗風情だけど、店内はいい具合の飴色に燻されたカウンターのみの王道酒場。
人気酒場だけあって、つまみも豊富。メニューは壁の短冊と手書きボードからチョイスするスタイル。
大将が順番に注文を取りに来て、ここでは緑茶ハイからスタート。
アテはかぼちゃ煮、とり手羽元煮、スパゲッティとポテトの合盛サラダと諸々。


気付いたら満卓になっている。もっとまったりしてるかと思ったけど、人気店だけあって、みなさんテキパキと発注して飲酒活動にいそしんでいる。
1時間ほど滞在で一人2500円ほど。
まだ日が残っているしもう一軒向かうことにしよう。
「田口屋酒店」からのルートはこちら。
https://maps.app.goo.gl/14dvyxWcgWjr8aBbA
徒歩11分750m。
17:50 7軒目 「加島酒店」@人形町

まだ日が高いし、これまで何度かトライするも営業時間が合わず、未踏のままだった課題店に、どうしても行ってみたくなった。そこで人形町方面へと移動する。
森下からの乗り換えは不便なので、ここはタクシーを発動。道も空いていて、10分ほどで現地到着。
着いたのは「加島酒店」。今日は営業しているようだ。
これぞオーセンティック角打ち。以前、前を通ったときにそのルックスにノックアウトされ、行ってみたい店の上位にランクインしていた一軒だ。
食べログでは朝10時からの営業とあるが、昼間は小売りや配達業務に専念しており、店内飲酒はやっていない。角打ち営業は17時半か18時くらいから始まるようだ。
外観の期待を裏切らず、店内も見事な飴色仕様。テーブル代わりの酒ケースや段ボールが、ばらばらと無造作に置かれている。
商品棚まわりはきれいに整理されているが、床やテーブルの上にはやや雑然とした空気が漂い、「荒れた」まではいかない絶妙なバランスの空間だ。

その中で、先客のソロ客が二人、黙々と酒を傾けている。
店主と思しき70代の大将は、帳簿をつけたり商品整理をしたりと、客との会話よりも仕事優先の実直で寡黙なタイプに見える。

ここは、乾き物と酒しかない「王道角打ち」。
冷蔵庫からは、やたらと名前の長い「タカラ焼酎ハイボール ドライ」を一本。

前の「みたかや酒場」でけっこう食べたので、ここではドリンクのみ。

テレビもなく、客も全員ソロ、店主は寡黙なので、店内はほぼ無音。こっちも自然と、連れとはひそひそ声になる。
かといって緊張感はなく、ひたすら酒と向き合う「孤酌」といった雰囲気だ。
と思っていたら、18時半を過ぎたころからグループ客(といっても2~3名)がちらほら入ってきて、店内は賑やかになってきた。
そろそろ撤収タイミングだな。
一人300円。
「みたかや酒場」からのルートはこちら。
https://maps.app.goo.gl/CTRGZa3e3KpLF2iX6
タクシーで10分2.2km。900円
18:40 8軒目 「ニューカヤバ」@茅場町

これで締めかと思いきや、「もう1軒行こう」ということになり、「大人の駄菓子屋」的立飲み酒場の「ニューカヤバ」へ歩きで向かう。
しかし、店内に空テーブルがあるにもかかわらず、「酔っ払い判定」されてしまい入店NG。
ここは「女性のみ入店不可」など、いろいろとルールがあったことをすっかり忘れていた。
残念ながら、そのままお開きに。
「加島酒店」からのルートはこちら。
https://maps.app.goo.gl/SRaTpViD4k4Vs89B6
徒歩17分1.2km。
まとめ
この日の「せんべろウォーク」をまとめるとこうなる。(料金は一人当たり)
①10:30 「下総屋食堂」@両国 700円
②11:20 「昼呑 吾嬬町」@亀戸 2400円
③13:30 「亀戸ぎょうざ両国支店」700円
④14:20 「資さんうどん 両国店」700円
⑤15:00 「田口屋酒店」@森下 400円
⑥16:00 「みたかや酒場」@森下 2500円
⑦17:50 「加島酒店」@人形町 300円
飲み代合計は7000円なのでちょうど1軒1000円の仕上がり。
移動距離は
①「下総屋食堂」まで徒歩4分で300m。
②「昼呑 吾嬬町」まで電車150円、徒歩12分の900m。
③「亀戸ぎょうざ両国支店」まで電車150円、徒歩12分の900m。
④「資さんうどん 両国店」まで徒歩6分で400m。
⑤「田口屋酒店」まで徒歩15分で2100m。
⑥「みたかや酒場」まで徒歩11分で750m。
⑦「加島酒店」までタクシー900円。
⑧「ニューカヤバ」まで徒歩17分で1.2m。
運賃は1200円。歩きは合計で36分、6550mの移動。暑いのによく歩いたな。
この日の歩数カウンターは2万歩以上だった。
北九州で1日14軒のはしご酒をやってから、7軒程度では物足りなく感じてしまう今日この頃。
暑くなかったら、もう少し行けたかもなぁ。
おつきあいありがとうございました。
