今回は福岡は呉服町にある
超超超激渋角打ち「吉武酒店」の
酒場レポート。
ガチのエクセル画ありません。
写真にゆるエクセル画のハイブリッド仕様です。
博多の〆は角打ちもう1軒
2022年12月、コロナ以降久しぶりに福岡へ。
そして最終日、飛行機までの空き時間で
久留米に続いて角打ちをもう1軒行ってみることにした。
博多駅から歩いて20分ほどの呉服町。
前から行ってみたかった超超超激渋物件「吉武酒店」だ。
12時開店とのネット情報で
店の前まで行ってみるとシャッターは半開き。
でも入り口は鍵がかかってあかない。
やってないかも。
左側にもう1か所半開きシャッターがある。
ダメもとで引き戸に手をかけると開いた。
連動してオート呼び鈴が鳴る。
入れた。
奥の座敷からお母さんが出てきた。
「飲ませてもらえますか?」
「よかですよ。奥から好きなもん取ってください。
コップはご自由にどうぞ」
ワンダーランドな店内
噂には聞いてたけど、渋み具合が研ぎ澄まされている。
で、タカラ焼酎ハイボール。
大好物の缶チューハイがあるじゃないですか。
リサイクルのワンカップグラスを拝借。
氷無しでも沁みる冷え具合だ。
先客はいない。
確かにやてるかどうかわからない風情だ。
「どうぞ、好きなところに座ってくんさい。
寒かったらストーブつけますか?」
「や、1杯だけなんで大丈夫ですよ。」
とゆるりとスタート。
すると電話が鳴ってお母さんが受話器で対応。
どうやら電話とガス料金をまとめるとお得になる
電話セールスだ。
「私はそんなややこしいことせんとです」
手続きは煩雑みたいで、電話だけでクロージングは無理だろう。
やっぱり足で営業しないとだめだよなぁ。
その間に店内は観察。
かなりカオスな感じだ。
物置化してるカウンターらしきテーブルに
丸椅子もあって座って飲める。
どこを撮っても絵になる濃厚な風格が充満している。
こちらうろ覚えでエクセルで描いた店内見取り図。
「小泉のせいです」
ここは築90年以上でお母さんで2代目。
「博多で一番古か建物です」
とのこと。
2人の息子はこの景気だし
酒屋ビジネスの将来性から継がないとのこと。
「たぶん私でお店もおしまいになるけん、
ご先祖様に顔向けできんとですよ」
「昔はこの先に魚河岸もあって朝から飲みに来る人、
たくさんおったけど、今は少なくなってしまいました。
これも小泉が弱い者いじめしたからとですよ。
小泉は純一郎。
あそこからぜーんぶおかしくなったとです。
昔は『さん』付けでしたけど、今は呼び捨てっとです。
息子も口だけです」
「博多市内もぎょうさん角打ちばあったとです。
今はほんの数軒しかのこっとらんとです。」
景気や跡継ぎ問題など個人零細事業の大変さを語っていただいた。
あと数年したら無くなりそうな「限界角打ち」だ。
もうすぐ米寿
お母さんは11月で87歳になったとのこと。
「先月の誕生日はお祝いで
昔のお客さんが20人くらいも来たとです。
店に入れない人は
外にビールケースをテーブルにして飲んでました。
私も朝からおでん作ったとですが、
あっという間になくなりました。」
お母さんの博多弁口調はやさしい。
少なくなった常連にも愛されてるんだなぁ。
「今でも買い物はメモ書かなくても
ぜーんぶ覚えとっとですよ。
でも足腰ば弱くなっとんで買い物もよう行かんとです」
自分の秋田にいる母親も88歳で元気だと話したら
「秋田からですか?
ここは北海道や東京からの人も来たけど
秋田の人は初めてとです。あらー。」
すごーく歓迎いただいたが
自分は東京から来てますよ。
でも耳もしっかり聞こえてるし、まだお店続けられそうだ。
先日の久留米の「ことぶきや酒店」もうそうだけど、
女将さんとのトークは絶品つまみだ。
本丸の福岡でも絶滅危惧種の角打ち、頑張ってほしいなぁ。
女将のゆるエクセル画
営業時間はなんとなく昼ぐらいから始めるけど、
お客さんが来れば朝でも飲めますよ、とのこと。
飛行機時間もあって結局1杯190円で会計。
ドトールより安い。
今度は早めに来て朝からゆっくり飲みたい。
次はいつ来れるかなぁ。
最後に女将のゆるエクセル画で。
酩酊。