今回は浅草で70過ぎと思しきママが
一人でやってる「正直ビヤホール」。
でもカウンターしかありません。
山谷から浅草へ
この日は昼からスタートで
山谷の名酒場「丸千葉」から
激渋酒場「追分」で順調にはしご酒。
この後に向かったのは
浅草の老舗ビアホールというか
カウンターバーの「正直ビヤホール」。
「ビア」じゃなくて「ビヤ」だ。
「追分」から徒歩20分強。
このルートはバス乗るか歩くしかない。
千束通りと言問通り交差点そばにある。
浅草からは
「はなやしき」裏手の
「ひさご通り商店街」抜けた左手だ。
ちなみにこの前に行った店のレポートはこちら。
その日の模様はこちら。
控え目すぎて気付かない入り口
交差点付近と思って行ったけど
看板も見当たらず
入り口も気づかず何度も素通り。
うろうろしているところで
1つだけ扉が開いている
入り口に気づいた。
よーく見ると
「正直ビヤホール」
の看板が控え目にあった。
店内の灯りがついてたけど
外が明るくてすりガラス越しでは
営業してるのかもわからない。
おそるおそる入ると
カウンター内にママが一人。
まだ客はゼロだ。
生ビールしかない
入ってすぐにカウンター。
7~8席くらい。
とりあえずL字の角に陣取る。
ママは初見のうちらにお店のシステムを説明。
・飲み物は生ビールのみ(600円/杯)
・火を通したおつまみは無し
・お通し代は無し
・乾きもの(チーズ、魚肉ソーセジとか)は
サービス
非常にシンプル。
3軒目のウチらにとっては
おなかにやさしくありがたい。
こちら実際のお店。
ビールは真鍮サーバーから注がれるサッポロ。
多分黒ラベル。
ママのビール注ぎは
「達人」と称される腕前で
薄張りのグラスに
クリアなビールの味が広がる。
グラスもお代わりの都度
水洗いして提供してくれる。
正直ビヤホール ルール
ママの後ろの棚には嫌でも目に付く
店内「ルール」が張り出されている。
1杯はダメよ!
2杯はお別れ
3杯は身を切る
4杯は死に損ない
5杯はごきげんよう
6杯目からは さぁガンガン呑もう!!
語呂合わせのようで
そうでもない。
1杯だけはダメで
まぁたくさん飲んでくれっつーことかな。
ママトーク
お店の造りからしても
大人数で行く店ではないし
カウンター席しかないから
ママとのお話が最高のアテになる。
カラオケのないスナックみたいな感じかな。
BGMもない。
理想郷だ。
お店は70年近く。
もともとは三ノ輪のほうに本店があったけど
今は浅草のみで営業。
先代はママの旦那さんだったけど
他界後ママが一人で切り盛りしている。
以前は料理も出してて
立派なおでん鍋もあるけど
「一人で大変だから」
と今は料理は一切出さない。
入って右手に
梯子のような急こう配の階段がある。
2階はテーブル席もあったけど
こちらも手が回らないから
物置にしているとのこと。
入り口の扉は以前は全部開いてたけど
ガタが来て右から二番目しか開かない。
70過ぎと思しきママは
浅草生まれの江戸っ子。
真っ白のかっぽう着で
凛としたカッコイイ姉御だ。
髪も丹念にセットした
超盛り盛りの素敵なグレイヘア。
今もそうだけど昔はかなりモテたんだろう。
カウンター奥の棚の上段には
額装した女性のモノクロ写真。
「あれ、ママの若かったころ?」
と聞いたら
「八代亜紀よ。
わたし大っ嫌いなんだけどね。
お客さんが持ってきて、
そのまんまずーっと置いてるの」
とのこと。
トークもはっきりダメだしするけど
嫌みがない。
こんな店近所にあれば毎日行くのは確実だ。
気に入ったお店なので
カウンターに立つママを
描かせていただきました。
あんまり女性を描くことはなかったけどねぇ。
エクセル画のスペック
2020年3月制作。
パーツ数890。
最初は写真生かして
ママだけ描いて乗せる
ハイブリッド仕様も脳裏をよぎったけど
カウンター内も含めて全面描き起こしてみた。
背景および前景が
かなり時間がかかった。
八代亜紀のポートレイトもどきも描き起こした。
手前の真鍮ビールサーバーは
カットしようかと思ったけど
最重要商売道具だからこれも描き起こし。
ママより時間かかったなぁ。
跡継ぎ問題
「このお店、誰か次ぐ人いないんですか?」
って聞いてみると
「娘がいるけど、継げっては言えないわよ。
わたしで終わりでしょう」
ってさばさばしている。
まるでテレ東でやってる「絶飯ロード」の世界だ。
うーん、まだママ元気だし
ぜひ続けてほしい。
この日はママにもビールご馳走して、
2人で7杯だから4200円。
帰り際は店先で見送りもしてもらえた。
今度額装したこの画
持っていくから
八代亜紀の隣でも飾ってくださいねー。
酩酊。
おつきあいありがとうございました。