
徒歩で移動しながら飲酒巡業する「せんべろウォーク」。
今回は2泊3日の下関~北九州の遠征企画で、その初日の下関篇。
この日は4軒の巡礼。
17:30 下関駅到着

東京近郊ばかりだった「せんべろウォーク」も、今回はついに本州最西端・下関に到達。
もともとは博多近辺で飲み歩きと観光をするつもりだったが、下関に住む知人から
「北九州も含めて酒場ガイドしますよ」
と声をかけてもらい、初日の宿を下関に変更することに。
福岡空港からJRを乗り継ぎ、下関に到着したのは17時30分。
西のほうだけあって、まだ日がたっぷり残っている。
ホームに降り立つと、潮の香りというか、生臭さを感じる。さすが港町だ。

駅の真向かいには「釜山門」が鎮座しており、異国情緒が漂っている。
夕方の駅前には、会社員や学生などで賑わっているかと思いきや、人通りがほとんどなく、拍子抜け。
もう少し活気があると思っていただけに、肩透かしを食ったような気分だ。
まずはホテルにチェックインし、現地ガイドと合流してから、酒場へと繰り出そう。
17:45 「三枡」

ホテルで合流した現地ガイドと向かったのが、下関駅前という好立地ながら、入り口が奥まった場所にひっそりと佇む「三枡」。
一見すると料亭のようなアプローチだが、エントランスは営業しているのか不安になるほど薄暗い。さらにその奥の扉を開けて、ようやく店内へたどり着く。

まだ店内は空いていたが、「予約が入っている」とのことで「カウンターで1時間限定」という条件で着席。

手書きボードにはたくさんの品書きが並んでいたが、「時間がかかる」とのことで、生ビールに冷奴、そしてアジのなめろうのみを注文。
それにしても、ふぐが安いのには驚いた。

長年にわたって蓄積された煙で赤茶けた天井や壁は、老舗の風格を感じさせる。角野卓造や太田和彦といった飲酒業界スターたちの色紙がお出迎えしてくれる名店だ。

高齢の女将と息子夫婦による家族オペレーションのため、客が増えすぎたり大量注文が入るとすぐに断られる、“やる気を感じさせない”スタイル。
案の定、自分たちのあとに飛び込みでやって来た1人客は「明日なら入れます」とあっさり追い返されていた。
注文もあまりできそうにないので、次の店へと向かうことに。
会計は1人あたり1,000円ほどだった。
下関駅からのルートはこちら。
https://maps.app.goo.gl/8qqdDUe9v4eqqgJS7
徒歩2分で140m。
18:20 「みすゞ」

2軒目は、駅から5分ほどにある「みすゞ」。
お店がある豊前田通りは、飲食店以外にも衣料品店や花屋やストリップ劇場まであった繁華街だったらしいが、今はアーケードも取り払われ、お店も歯抜け状態で寂寥感漂うストリートになっている。アーケードがあった割には、道も微妙に広くて、スカスカ具合に拍車をかけてくる。

「みすゞ」はカウンターメインで小卓が2-3個ある、10人も入れば満員になるこぢんまりした店。
ここでは21時まで限定の晩酌セットがあったので、それをオーダー。中生1杯に、ポテサラ、ベーコンエッグ、おでん2品ついて、なんと1000円。沖縄並みのせんべろセット構成だ。

下関は以前、大洋漁業=現マルハの本社が駅前にあった企業城下町でもある。ここでもマルハ推しのおつまみがあった。魚肉ソーセージと思いきやポテサラだったけど、これで十分。

連れが急に立ち上がって、帰ろうとしている隣の客に挨拶しだしたので、知り合いかと思ったら、なんと下関市長とのこと。よそ者の自分にはサラリーマンにしか見えなかったのだが、地元じゃ誰もが知っている名士だ。
市長も地元経済活性化に向けて晩酌セットをやってたんだろう。領収書をもらってなかったから、自腹飲みだよね。そりゃそうだ。
こっちはもう一軒巡業するので、もう1杯頼んで切り上げることにした。
一人1700円。
三枡からのルートはこちら。
https://maps.app.goo.gl/HST7D9iNFhKptdxT8
徒歩4分で280m。
19:30 「北市屋酒店」

3軒目は、駅前の釜山門から左に折れた先の廃墟に近いブロックの角打ち「北市屋酒店」。下関上陸後、初の角打ちに向かう。

いい年したおっさんも緊張してしまう空気が漂う、ハード&ビターエリア。実態は知らんけど。
大通りから筋道エリアに入って5分ほどで到着。暗闇迫る街に、周りで明かりがついている家屋は一軒もない中、誘蛾灯のごとく白熱灯が手招きしている。しかしシャッターは全開になっていない。
もちろん他にはお店らしきものは見当たらない。

現地ガイドいわく、小売はやめて今は日本酒バーとして、釣り好きの大将が全国の地酒を揃えてお待ちかねしている。
店内にはイスとテーブルがあって座って飲める。
既に先客数名が各々黙々と飲っているいい雰囲気だ。

マンガも置いてあって、読みながら飲めるスタイル(書棚には大将が好きな陰謀論本も埋まっていた)。
ここでは福島の酒、飛露喜をショットオーダー。

店外の空気とは真逆のぬるーいムード。居心地良さに、地場山口の五橋でもう一杯。
思い起こすと、朝食べたきりで食事らしいものは摂取してなかったので、もう一軒食堂に向かうことにする。
〆て一人1200円。
「みすゞ」からのルートはこちら。
https://maps.app.goo.gl/Lx9GEHnDKGFS7CTT8
徒歩9分で650m。
20:50「大衆食堂 一善」

4軒目は、再び駅前に戻り〆の一軒、「大衆食堂 一善」。
「一善」に向かう途中で、「駅裏」にあたる風俗街を見学しながら移動。
ソープランドに挟まれたところに、激渋風情の「大阪屋」という食堂(廃業)がある。

ここは下関が地元の松田優作が、ブレイク前によくちゃんぽんを食べていたところらしい。
海辺には大洋漁業本社跡の石碑があったりの歴史エリアだ。

駅前に隣接した港に本社があって、船員向けの寮や飲食・風俗店もあったりで、大変賑わっていた場所だったらしい。
そんなところを舐めながら、大通りに出て向かったのが「一善」。

店内はコの字カウンターに小上がりのレイアウトで、入ってすぐには小鉢が整然と待ち構えているし、振り返ると冷蔵ショーケースにも野菜や刺身類も揃っている。

定食ものに、うどん、丼ものもあるフルラインナップ構成。

ここではレサワに貝汁と、下関名物、鯨のステーキともろもろ。
結局は炭水化物系は摂取せずに、つまみ系で揃えてしまった。


一杯のつもりが、アテも残ってるので結局おかわり。
よく覚えていないけど、たぶん一人2000円くらい。
「北市屋酒店」からのルートはこちら。
https://maps.app.goo.gl/y4R8w7PGytuuo73y9
徒歩10分で700m。
この日のまとめ
下関の「せんべろウォーク」をまとめるとこうなる。(料金は一人当たり)
①17:45 「三桝」1000円
②18:20 「みすゞ」1700円
③19:30 「北市屋酒店」1200円
④20:50 「一善」2000円
飲み代合計は5900円なので1軒1500円ほどの仕上がり。
移動距離は
①「三桝」まで徒歩2分で140m。
②「みすゞ」まで徒歩4分の280m。
③「北市屋酒店」 まで徒歩9分で650m。
④「一善」まで徒歩10分で700m。
合計1770m、25分の徒歩移動。全く歩いていない。
明日は朝8時から角打ち本場の北九州巡業が本格的に始まる。
おつきあいありがとうございました。
続編はこちらから。
