
徒歩で移動しながら飲酒巡業する「せんべろウォーク」。
今回は2泊3日の下関~北九州の遠征企画の2日目で、下関から北九州方面へ。
この日は10数軒の巡礼になりますが、量が多いため2回に分けてのその前篇。
回りすぎ。
ちなみに初日篇はこちらから。
- 8:30 下関駅出発
- 8:50 1杯目「壇ノ浦古戦場跡」
- 9:30 「赤間神宮」
- 10:00 2杯目「唐戸市場」
- 10:50 門司港上陸
- 11:10 「門司中央市場」
- 11:20 3杯目「樋口酒店」
- 11:40 「栄町銀天街」
- 11:50 4杯目「魚住酒店」
- 13:20 5杯目「田中屋酒店」
- 14:20 6杯目「あかかべ」
- この日前半のまとめ
8:30 下関駅出発

今日は、対岸にある「角打ちの聖地」、北九州に上陸する予定。が、その前に「下関の歴史遺産を見に行こう」という現地ガイドの提案で、源平合戦のクライマックスで知られる壇ノ浦古戦場へ向かうことにした。
この日は快晴。昨夜の〆に訪れた「大衆食堂 一善」を横目に見ながら、バスが出発する。
朝の風情にフェロモンはまるでなく、ただの田舎の食堂にしか見えない。

8:50 1杯目「壇ノ浦古戦場跡」

下関駅からバスで15分ほど、御裳川(みもすそがわ)で下車し「壇ノ浦古戦場跡」に到着。
このあたりには、歩いて渡れる関門トンネルの入口や、源平合戦の銅像、真下から見上げる関門橋などが点在し、観光スポットとなっている。とはいえ観光バスの姿はなく、地元の年配の方々がのんびりと散歩している程度だ。土産物屋もあるが、まだ営業していない。
ここで現地ガイドがバッグから缶ビールを取り出す。せっかくなので、この日1本目をいただくことにした。

朝9時のエビスビールは、味がやたらと濃く感じる。
公園内には、幕末に長州藩が英国など列強と戦った際に使った大砲のレプリカも展示されている。
今では、100円を入れると大砲の音(小さめ)と煙(たぶん水蒸気)の再現を楽しめるという、牧歌的な光景だ。
ここは長州戦争の舞台にもなっていて、一地方自治体(=藩)が列強と戦争をしてしまうほど、当時は強烈な攘夷思想があったのだろう。
もっとも、戦いの結果は英国にボコボコにされてしまい、以後、長州は倒幕運動に傾いていく。とはいえ、イギリスも大人げないなぁ。
源平合戦はじめ、そんな歴史のターニングスポットであることを、ビールを飲みながら思い出す。
このあとは、下関のもう一つの名所・唐戸市場へ歩いて向かってみる。
下関駅からのルートはこちら。
https://maps.app.goo.gl/LGCmmwPFTMW8P9fi7
9:30 「赤間神宮」

みもすそ川公園から関門海峡沿いを歩いて、唐戸市場へ向かう。
15分ほど進むと、またしても源平合戦にゆかりのある史跡が現れる。それが「赤間神宮」だ。源氏に追い詰められ、入水した平清盛の孫・安徳天皇を祀った神社。
もっと荘厳な佇まいを想像していたが、第2次世界大戦で焼失し、約60年前に再建されたとのことで、なんだか眩しい。社殿の左奥には平家一門の墓や、耳なし芳一の像などもあり、平家ファンにはたまらない萌えスポットになっている。
駐車場には観光バスも停まっていたが、なぜか韓国語を話す中高年の団体が多く、日本人観光客の姿はほとんど見当たらなかった。釜山から近いという理由だけではなさそうだが、壇ノ浦よりも賑わっていた。
ここでビールを飲むのは気が引けたので、唐戸市場へ向かうことにした。
みもすそがわ公園からのルートはこちら。
https://maps.app.goo.gl/G3SjkfwSeEvCFzYj6
徒歩13分で950m。
10:00 2杯目「唐戸市場」

再び海峡沿いを移動開始。
左手に観光バス用の大型駐車場が見えてくると、その先に体育館のような建物が現れる。それが「唐戸市場」だ。
平日は市民の台所として、海産物を中心としたマーケットだが、金曜から日曜にかけては観光客向けに、魚屋の店先で握り寿司の販売も行われている。

現地ガイド曰く、「職人ではない素人寿司を観光客が食いまくっていて、下関では水揚げされないサーモンの握りもなぜか売れ筋なんですよ」とのこと。団体インバウンダーが店先で大量に買い漁っている。
価格はどの店も1貫200〜300円ほどだが、行列ができている店と閑散としている店の差が激しい。

せっかくなので、こちらも海老やフグなど数貫を購入。天気が良かったので、インバウンド客の間に交じって海辺のベンチでいただく。
魚屋だけにネタは大きくて新鮮だが、シャリはおそらく機械握りで、硬めの仕上がり。
ついでに買ったビールは400円。割高感は拭えないけど、観光地なんでこんなもんですかね。

市場の隣には連絡船乗り場があり、片道400円・所要時間約15分で対岸の門司へ渡ることができる。
門司に上陸すれば、いよいよ北九州市での本格的な角打ち巡業がスタートだ。
潮風を浴びながら、ガチ飲みに備えるとしよう。
寿司とビールで、計1300円ほどの仕上がり。
赤間神宮からのルートはこちら。
https://maps.app.goo.gl/ATGwYAq7BdqKsgms6
徒歩5分で350m。
10:50 門司港上陸

連絡船に乗って15分ほどで、門司港到着。
下関からは10名くらいしか乗っていなかったに、門司では100人近い団体客が乗船待ちをしていた。言葉を聞くと中国、韓国からの外国人客だ。昼時だし、このあと唐戸市場で「素人寿司」に向かうんだろうなぁ、と思いながら、酒屋めざして移動を開始する。
11:10 「門司中央市場」

港から角打ち目指して、街中へ移動開始。途中で激渋臭漂う物件に遭遇。「門司中央市場」だ。

創業60周年のちらしが貼りだされているが、見渡す限り8割方はシャッターが下りている状態。先の「焼肉」の提灯は、肉屋の店先のテーブル1卓で営業している「日本で一番狭い焼肉屋」らしい。他にはリノベーションされたカフェやリサイクルショップなどが、ぽつぽつと出現している。
11:20 3杯目「樋口酒店」

そしてやっと、目指す角打ちに到着。「樋口酒店」だ。マーケットの入口近くに鎮座している。
外観は、小売しかやっていない普通の酒屋にしか見えない。しかし、半間ほどの引き戸を開けると、そこには立ち飲みカウンターが。
北九州は、こんなふうに“角打ち”が日常風景の中に埋蔵されているステキな街だ。

大将は無口、女将はおしゃべりで接客上手。まさに角打ちならではのスタッフィング。
朝からビールを飲み続けていたので、ここではRTDの「いいちこハイボール」をチョイス。

連れのガイドがサン生の中瓶を頼むと、女将が抽選券を差し出してきた。便乗して自分もくじを引いたら、なんとアタリ。サン生グラスをいただいた。

カウンター奥には一脚だけ椅子があり、常連爺の“指定席”らしいのだが、現在は入院中とのことで名誉席状態。
こうして常連客が減り、お店が少しずつ細っていくのも、時代の流れかもしれない。
ここでは一杯のみで、230円の仕上がり。
門司では、もう一軒行きたい角打ちがある。
"昭和レトロ"推し=枯れモードの門司の街中を舐めながらウォーキング開始。
唐戸市場からのルートはこちら。
https://maps.app.goo.gl/3E7nhVzdqNHjsW748
フェリーで2km、400円
徒歩部分は15分で1300m。
11:40 「栄町銀天街」

昭和時代はさぞ賑わったであろうアーケード商店街は8割がたシャッター武装状態。
隣接する路地裏酒場は、夜でも営業している気配は感じられない遺跡化しつつある。

11:50 4杯目「魚住酒店」

中心地を抜けて、だらだらとした坂道を登っていくと「魚住酒店」が登場する。
訪問の3日前に『マツコの知らない世界』の角打ち特集で紹介されたから、混んでいたらスルーするつもりで入店。

ところが店内はまさかの客ゼロ。しかも声をかけても店主も出てこない。
肩透かしだった。ここにはTVの影響は及んでいない。
外観内観とも裏切らない木造家屋の飴色というか枯れ色の塊。入って右手に立ち飲みカウンターが待ち構えている。小売よりも角打ち主体の営業体制のようだ。
やっと大将の反応があったので、カウンター向かいにある家庭用冷蔵庫から黒ラベル大瓶をピックアップ。

サービスの枝豆が出てきてから、つまみ=乾きものを取ろうと思いながら、ビールを飲んでいるといつの間にか飲み干してしまった。
枝豆は忘れられたようだ。

日本酒にも惹かれたけど、まだまだ宿題店があるので、これで撤収。
〆て二人で430円。
「樋口酒店」からのルートはこちら。
https://maps.app.goo.gl/Lx9GEHnDKGFS7CTT8
徒歩10分で700m。
そしてここからは、電車で小倉に向かうことにするので門司港へ移動。

この一帯は、明治時代の建造物が多い、歴史地区。駅はレトロ推しのシンボルだな。
13:20 5杯目「田中屋酒店」

電車で15分ほどで小倉に到着。
小倉は今回で2度目。ビジネスゾーンから住宅地になりつつあるエリアへ彷徨して出現するのが「田中屋酒店」。
ここも『マツコの知らない世界』の角打ち特集で紹介された酒屋だけど、入店してみると、テレビの影響は感じられない。
店の奥には着座テーブルがあり、常連と思しき5〜6人がガッツリ飲んでいる最中。

こちらは一見客なので、目立たぬように入口の立ち飲みコーナーでサク飲みしようとすると、奥のVIP席から、
「せっかくなんで、どうぞどうぞ。気ぃつかわんで、よかよか」
と手招きされる。場の空気に乗って、ありがたくお招きにあずかることに。
ここでは「タカラ辛口焼酎ハイボール ドライ」。

店内は喫煙OKだし、長年の歴史を感じさせる、すえた空気が濃密に漂う。ハエ取り紙や機能してなさそうなミラーボール、いつ仕入れたのかわからない乾き物など、歴年の蓄積物の宝庫といった趣きだ。

常連たちは朝から飲んでいるらしく、こちらにもいろいろ話しかけてくれる。排他性がなく、なんとも居心地のいい酒場。まさに角打ちならではの“飲みニケーション・サロン”となっている。
見上げると、エマニエル夫人のポスターが酔客たちのダラ飲みぶりを静かに見つめているではないか。

さらに驚くべきことに、このお店の会計は自己申告制。大将はただ座っているだけで、複数の会計をこなすのが苦手らしく、店員なのか常連なのか分からないアシスタントがサポートしている。
ここは再訪したい角打ちだ。
〆て一人200円。
「魚住酒店」からのルートはこちら。
https://maps.app.goo.gl/81JgLxPpnuRAqiNeA
電車で13分で340円。
徒歩部分で17分1250m。
小倉でもう一軒行きたい角打ちに移動だ。
14:20 6杯目「あかかべ」

6軒目(というか6杯目)は、小倉の旦過市場へ移動。
旦過市場は、総菜屋や飲食店などがアーケード内にだらだらと連なる、昔ながらの商店街。小倉駅から見て右手のブロックにある建物群は、実は水路の上に建てられた、味わい深い一角だ。

その歯抜けの場所にあったのが、老舗角打ち「あかかべ(赤壁酒店)」。今回は7年ぶりの再訪。現在は、隣の通りに設けられた、被災店舗が集う仮設市場で営業中だ。
ここも昼から営業しているが、この時は客ゼロ。

酒屋だけあって、日本酒の銘柄は豊富で、一合500円台から楽しめる。ただ、次の店のことも考えて「タカラ辛口焼酎ハイボール レモン」を選択。

店舗は立ち飲みスペースのみで、蛍光灯の明かりが眩しいほどの新しさ(仮設とはいえ)。店内には、まだ顔色がドス黒くなる前の石原裕次郎のポスターが、旧店舗から引き継がれている。

店は女将と息子の2オペ体制。以前訪れた時は、常連や女性客には気さくに話しかけるなどホスピタリティあふれる接客だった一方、一見客には注文すらなかなか取らず、ほぼ黙殺するという“塩対応”を味わったけど、この日はその息子は見当たらなかった。
店には「滞在30分縛り」や「グラス数制限」などのルールもあるが、もとより一杯で撤収するつもりだったので、テンポよく飲んで次の店へ。
再開発後の風情はどんな感じになるのかねぇ。
〆て一人250円。
「田中屋酒店」からのルートはこちら。
https://maps.app.goo.gl/WCqYaMMsUBRaVMM9A
徒歩で17分1200m。
昼の小倉はこのあたりにして、また電車に乗ることにしよう。
この日前半のまとめ
ここまでの「せんべろウォーク」をまとめるとこうなる。(料金は一人当たり)
①8:50 「壇ノ浦古戦場」ごち
②10:00 「唐戸市場」1300円
③11:20 「樋口酒店」230円
④11:50 「魚住酒店」215円
⑤13:20 「田中屋酒店」200円
⑥14:20 「あかかべ」250円
飲み代合計は2195円なので1軒365円ほどの仕上がり。
移動距離は
①「壇ノ浦古戦場」まで バス260円
②「赤間神宮」まで13分950m
③「唐戸市場」まで5分350m
④「樋口酒店」までフェリー400円。歩きで15分1300m
⑤「魚住酒店」まで10分700m
⑥「田中屋酒店」まで電車340円。歩きで17分1250円
⑦「あかかべ」まで17分1200m
歩きは合計6350m、77分の移動。運賃はちょうど1000円。
まだ飲みます。続編をお楽しみに。
おつきあいありがとうございました。
初日篇はこちらから。
