
徒歩で移動しながら飲み歩く「せんべろウォーク」。
暮れも差し迫った12月30日の昼下がり、はしご酒に浸る不逞巡業記。
「年末暇なんだけど、どっかいいとこない?」
と友人から連絡があり、それならと出陣。
今回は、「意識高い系の塊」というべきか、「多摩地区の首都」「偽装23区」とも言われる武蔵野市吉祥寺。
吉祥寺駅から始まって、最後は4駅隣の武蔵小金井で〆る全5店の巡行。
- 13:30 1軒目 「ポヨ」
- 14:30 2軒目 「プラットスタンド酛」
- 15:20 3軒目未遂 「Adult」あらため「Mark Campbell」
- 15:30 3軒目 「吉祥寺はらわた」
- 16:00 4軒目 「火弖ル」
- 17:30 5軒目 「百薬の長」@武蔵小金井
- まとめ
- 【おまけ】「Mark Campbell」再訪
13:30 1軒目 「ポヨ」

年末の吉祥寺は、普段の週末以上に人でごった返していた。
大掃除やおせちの準備といった家事から逃避した人民がうようよしている。
1軒目は吉祥寺駅北口駅前のハモニカ横丁入口に構えている「ポヨ(POLLO)」。
ハモニカ横丁は飲み屋比率が圧倒的に高いけど、最近は古着屋や雑貨屋も進出してきていて、昼酒狙いではない若者も結構多い。
しかも、昼から営業している店は圧倒的に少ない。

そんな横丁でも「ポヨ」は11時半から営業開始。
店先ではいつもロティサリーチキンを焼いていて、その持ち帰り客も多いお店だ。
L字カウンターに壁際のI字カウンターで、立ち飲みも開店からできるから、昼飲みのスタートにはもってこいの酒場でもある。

連れがまだ来ないので、まずはサッポロ黒ラベルでスタート。
ここはランチもやっているので、カレーやチキンのセットを食べている人もいる。
こっちはこのあとを考えてつまみは無しで行こう。

あっという間に飲み干したので、ハイボールを追加。
どうやって迷ったのかわからないけど、連れが遅れて登場。
連れもビールを飲みながら今後のプランを練る。

次が決まったので、長居せず店を後にする。
ここでは1,440円の仕上がり。
吉祥寺駅からのルートはこちら。
https://maps.app.goo.gl/KXpyAJcimXtCL1sm6
徒歩1分で42m。
14:30 2軒目 「プラットスタンド酛」

2軒目は、北口のアーケード街「吉祥寺サンロード」にある商業ビルの地下にある立飲み酒場「プラットスタンド酛」。

1階は靴屋なので、素通りしそうになるけど、地下はとんかつ屋やチェーン居酒屋、インド料理店が構える飲食ゾーンになっている。
その一番奥にあるのが、日本酒がメインの「酛」。
昔はテーブルとハイスツールがある飲み屋だったけど、リニューアルして大型のコの字カウンターを備えた立飲み店になっている。

ここはなんといっても、連日昼12時から営業している。
年末ということもあって、店内はほぼ満員。ちょうど帰る先客との入れ替わりで、なんとか入れた。
昼から飲みたい人が、世の中には大勢いる。

お店には全国の銘酒を、日替わりも含めて20種以上そろえている。
この日は静岡の「磯自慢」と青森の「豊盃」に、うまづらはぎの刺身(肝付)。

日替わりのつまみや刺身も、500円~1,000円くらいで取りそろえている。

ちなみに、生ビールやホッピーセットも置いているから、ビールからスタートしたい人でも大丈夫。
平日限定だと、生につまみ2品が付いた「カンパイセット1,000円」もある。

日本酒は60mlのお猪口で500~700円ぐらいだから、ガチ飲みすると結構いい値段になる。
しかも立飲みだから、フラフラにもなる。
ここでは2~3杯に、つまみ数種がいい感じの仕上がりだ。
店内も混んできたし、2軒連続立飲みだったので、1時間弱で次に向かうことにする。
仕上がりは1,400円。
「ポヨ」からのルートはこちら。
https://maps.app.goo.gl/44RDM4ZW56ZwePms6
徒歩2分で120m。
15:20 3軒目未遂 「Adult」あらため「Mark Campbell」

3軒目に向かったのは、昔は近鉄百貨店があって「近鉄裏」と称された、駅の北東側のゾーン。
昔は風俗店やラブホが密集している、かなりいかがわしいエリアだったのが、今はこじゃれた店も増えてきている。
そこに何度か行った立ち飲みスタンド「Adult」があるので、向かってみた。

しかし、店先に着いたら、なんとクレープ屋「Mark Campbell」のボードが出ている。
店の造りは一緒なので、居抜きで店が変わったのかもしれない。
中を覗いてみると、カウンター内には前と変わらないオーナーがいる。
店内もカウンターのみで、7~8人で満員なのも変わらない。
飲めるかもしれないので、オーナーに聞いてみると、
「クレープ食べるんだったらどうぞ」
とのこと。
さすがにクレープで酒も厳しいし、店も混んでいるようだったから、
「また今度きます」
で撤収。
なぜクレープ屋になったんだろう。
日はまだ高く、営業前の店が多い中、次の店を探さないといけない。
近鉄裏を徘徊する。
「プラットスタンド酛」からのルートはこちら。
https://maps.app.goo.gl/QUvRNGUPQ98GTvycA
徒歩4分で350m。
15:30 3軒目 「吉祥寺はらわた」

「Mark Campbell」を見送っての3軒目は、同じく「近鉄裏」にある「吉祥寺はらわた」。
この辺は、早くて16時くらいにならないと営業している店はかなり少ない。
ぶらつきながら店を探していると、ビニールカーテン越しに明かりが見える店があった。
暖簾がめくられていて、店名の看板はよく見えないけど、飲んでいるグループがいたので、入ってみる。
ここは初入店。
カウンターはまだガラガラだ。

大型コの字カウンターがメインのもつ焼き屋だった。
ビール→日本酒と飲ってきたので、ここでは緑茶割り。
つまみはポテサラに、たたき梅きゅうり。

ポテサラはベーコンが入って、胡椒が効いていて、なかなかうまい。
カウンターメインだから、つまみも少人数向けの量で、サク飲みにちょうどいい感じだ。

実は次に行きたい店は16時開店なので、それまでのつなぎで入ったから、看板メニューのもつ焼きはパスしておく。
そろそろ16時になったので、隣の店に移動しよう。
ここはお通しも無いので、一人800円。
「Mark Campbell」からのルートはこちら。
https://maps.app.goo.gl/QbRzyaNMxkg3MTuw6
徒歩1分で52m。
(実際はもっと歩いたけど、よく覚えていないので最短距離で表示)
16:00 4軒目 「火弖ル」

4軒目は、「はらわた」から2軒ほど隣に移動したところにある居酒屋「火弖ル」。
「ほてる」と読む。
この店名はうまく文字変換できないので、「吉祥寺 ホテル」で検索するとラブホばっかり出てきてしまう。
実際、店の向かいにはガチなラブホが構えている。

ちょうど開店したばかりなので、一番乗りで入店。
ここも店内センターにコの字カウンターとテーブル卓がいくつか。
さっきの「はらわた」に比べれば、半分くらいのサイズの小ぶりなお店だ。

ここは、クレープ屋になった「Mark Campbell」のオーナーが、10年ほど前に開いたお店で、現在は若いスタッフに任せている。
最初の店は熱燗専門店「カイ燗」(閉店)から始まって、「火弖ル」→「Adult」(閉店)と店名も隠微なネーミングが続いている。
(そう考えると「Mark Campbell」の店名と業態、どちらも超浮いている)。

ここでの一杯は「ボール」。
立石や下町あたりで定番になっているドリンクで、焼酎に謎のシロップを入れてソーダで割っている。
オーナーが下町ボールにインスパイアされて、独自調合した割り物になっている。
薄張のグラスに表面張力盛りで登場。
甘さ控えめで、さっぱりした飲み口だ。

これにあてるのが、「鰯の海苔巻き」。
きゅうりを挟んだ鰯の刺身を海苔で巻いた、見た目もきれいな一品だ。
この店に来たら必ず頼む鉄板つまみになっている。
ボールをもう一杯飲んで、店内を見回すと、20代の若者がいつの間にか増えている。
そうだ、ここは吉祥寺だ。
20時頃に来ると、入れないことも多い人気店だった。
そろそろおじさんは迷惑にならないうちに撤収することにしよう。
会計は一人1400円。
「はらわた」からのルートはこちら。
https://maps.app.goo.gl/mCA6o97S8xxWU57KA
徒歩1分で44m。
全然歩いていない。
17:30 5軒目 「百薬の長」@武蔵小金井

昼間の家族連れが多かった吉祥寺の街は、いつの間にか若者だらけになっていた。
渋めの店も当たってみたけど、そこは18時開店で、寒い中ではもう待てない。
宵闇も迫って吉祥寺を離れて、静か目の街に向かうことにする。

到着したのが、西へ4駅移動した武蔵小金井駅。
もうしっかり日も落ちてしまった。
「むさこ」と言えば、一般的には東急線の「武蔵小杉」や「武蔵小山」を思い浮かべる人も多いけど、多摩地区民は「小金井」の方になる。
駅の南口はタワマンや大型スーパー出店で小ぎれいになったけど、北口はこれから区画整理に着手する状態。
ドンキやパチンコ屋、再開発に向けて廃墟になった西友ビルが駅前を占拠している。
一見、個人営業の飲食店は見当たらないけど、その裏手には一杯飲み屋が固まっているエリアが埋もれている。
すでに年末休みに入って、営業していない店も多い中、路地に明かりがこぼれ出ている店がある。
向かったのは「百薬の長」。渋い店名。長年の宿題店だった。
透明ガラス越しには、店内の様子もよく見える。
入口近くに席が空いていたので、さっそく入店。

店内は「ニの字」カウンター構造。道路側に向いた辺が焼き場になっていて、煙が店外に流れ出る、誘蛾灯の役割も務めている。
全部で15、6席ほどのキャパ。
年末で行き場を失った先輩達で満席状態だ。
対面のカウンター越しに常連同士が話をしたりで、賑やかな感じ。
でも、20代の若手客は皆無なので、騒々しい感じはない。

ここでは焼酎に炭酸。焼酎は皿を敷いた焼夷弾グラスに表面張力盛りで出てくる。
これを女将さんが氷を入れたジョッキに、こぼさずに注いでくれる。
お見事。
これに瓶に入った炭酸を自分で注入する、セルフミックス型で完成になる。

お店の看板はもつ焼きで、壁に貼りだされた色褪せた紙に部位の説明が「精力」を基軸に書かれている。
とにかく部位が多い。
もつ焼き以外にも、おでんや日替わりの小鉢系に白米まである。

まずは「かしら」「なんこつ」からスタート。
ここは一本単位で頼めるし、小ぶりで塩加減もいい具合で、何串でも食べられそうだ。

炭酸がまだ残っていたので、焼酎をおかわり。
竹輪とこんにゃくのおでんも追加。
おでんは特にこだわった感はしない。
やはりここは、もつ焼きで攻める店だな。

TVも無いから、酔客同士の話し声がいいBGMになっている。
スマホをいじりながら黙々と飲む孤客もいる。
皆、1時間ぐらいで撤収していく大人の酒場だ。
ここは再訪確定だな。
〆て1800円。
2025年の「暇な一日」がこれで終わった。
そしていい店で年を締めくくれた。
もう帰ろう。
酩酊。
「火弖ル」からのルートはこちら。
https://maps.app.goo.gl/mCA6o97S8xxWU57KA
徒歩部分で9分で620m。
中央線で4駅移動で14分、180円
まとめ
今回の「せんべろウォーク吉祥寺」5軒のまとめ。(料金は一人当たり)
①13:30 「ポヨ」1440円
②14:30 「プラットスタンド酛」1400円
③15:20 「Adult」あらため「Mark Campbell」 0円
③'15:30 「吉祥寺はらわた」800円
④16:00 「火弖ル」 1400円
⑤17:30 「百薬の長」 1800円
飲み代合計は6840円なので1軒1,368円の仕上がり。
移動距離は
①「ポヨ」まで徒歩1分で42m。
②「プラットスタンド酛」まで徒歩2分の120m。
③「Mark Campbell」まで徒歩4分の350m。
③'「吉祥寺はらわた」まで徒歩1分の52m。
⑤「火弖ル」まで徒歩11分の800m。
⑥「百薬の長」まで徒歩9分の620m。
歩きは合計で18分、1,228mの移動。
電車で4駅移動で180円。
全行程ルートはこちら。
https://maps.app.goo.gl/AMZBSq8pcFrkyasi7
2025年の「せんべろウォーク」もこれでおしまい。
【おまけ】「Mark Campbell」再訪
年が明けて2026年、別の友人から「年始飲みどうよ?」とのお誘いがあり、再び吉祥寺の昼飲みに出陣。
この日は土曜日。
吉祥寺も、相変わらずの人出だ。
友人に
「『Adult』、オーナーは変わってないのに、いつの間にかクレープ屋になったんだよ」
と話したら、「じゃあ行こう」ということになって、再訪してみることになった。

16時頃に店に到着。
店先の看板にはクレープのメニューがずらりと並んでいる。
酒類はクラフトビールとナチュラルワインの2種しか書かれていない。
外から見るとカウンター席は満員のように見える。
店内は「Adult」時代と変わらないレイアウトで、立ち飲みで10人入れるかどうかの広さしかない。
クレープ屋ということもあって、先客の半分近くは女性客で、あとは小さい子どもを連れた家族。

おっさん2人が入れば、浮くのは必至だったけど、オーナーは自分たちのことを覚えていて、
「クレープ屋だけど大丈夫?」
と快く入れてくれた。

以前は「ハイリキ」のボトル入りチューハイがあったけど、今は瓶のハイネケンとワインしか置いていない。
まずはハイネケンからスタートする。
クレープは何か選ばないといけないので、酒にはまったく合いそうもないけど、個人的好みで「あずき&生クリーム」。
そしてFoodカテゴリには「ハムチーズ」があったので、それもオーダー。

オーナーは黙々とクレープの生地を焼いている。
他に店員はいない、完全ワンオペだ。
ビールを飲み終える頃、クレープが登場。
それに合わせて赤ワイングラスを追加する。

まずは「あずき」。
生地は薄く、きれいに焼き上がっている。
昔、原宿で見かけたフルーツやアイスが巻かれたパワフルなクレープと違って、小ぶりで腹へのダメージも少なそうだ。
具も甘さ控えめで、ワインとのマッチングも悪くない。

「ハムチーズ」はまったく甘くない。
ハムチーズサンドのクレープ版といった感じで、これは完全にツマミだ。
メニューをよく見ると「シャウエッセン」もある。
最初はクリーム入りのクレープにソーセージは合わないだろうと思っていたけど、クリームが入っていないのがFoodカテゴリらしい。
隣の女性が食べていた「メヒコ」はアボカド入りで、タコスみたいな感じだった。
たしかに、クリームさえなければ、ツマミとしてのクレープも十分ありだ。
メニューのトップには「プレーン(生地のみ)」というのもある。
醤油は無いにしても、ケチャップをかけてつまむのもありかもしれない。
ただ、酒類は2種しかないし、何個もクレープを食べられるわけでもない。
しかも立ち飲み。長居は難しい。
そんな中、お店も少し落ち着いてきたので、ワインをおかわりしてオーナーに話しかけてみた。
「なんでクレープ屋にしたんですか?」
「実はですね……前からクレープ屋をやりたかったんですよ。
ずーっと練習してたんですよ、焼くのを」
ストレートな理由だった。
よく見ると、狭い店内にはもう1台焼台が置かれている。
前は立ち飲みバーだったこの店も、今は完全にクレープ屋だ。
もう一つ聞きたかったのは店名の由来。
オーナーの店は「カイ燗」→「火弖ル」→「Adult」と、意味深なネーミングが続いていたのに、
なぜここで「Mark Campbell」なのか?
聞こうと思ったところで、また新しいお客さんが入ってきた。
忙しそうだし、これはまた次回の宿題にしておこう。
ここは、はしご酒の箸休めでいい感じの店だ。
会計は一人3000円。
飲み物1杯にクレープ1ぐらいがちょうどいいな。
クレープ屋で飲るには、さすがにやりすぎた。
おつきあいありがとうございました。
酩酊。
