今回は大阪、天王寺の老舗酒場「明治屋」をエクセルで描いた話。
半年ぶりの新作酒場エクセル画。
前半が訪問レポで後半がエクセル画の構成です。
ディープ大阪の玄関口
コロナ以降、久しぶりの大阪。
宿や仕事は梅田エリアだったけど、
せっかく大阪に来たら大阪らしいエリアのミナミに行かねば。
わざわざ飲むためだけに天王寺に向かった。
天王寺は大昔に大阪に居た頃、寮があった堺に帰るために
阪和線に乗り換えた駅。
天王寺から南は河内エリアになって
キタ側や兵庫県人は用事がなければ滅多に足を踏み込まない
関西人・文化の原種ともいえる味わいがある地区。
その玄関口が天王寺になる。
天王寺駅周辺は日本一の高さ(そのうち抜かれるけど)のあべのハルカスや
星野リゾートが西成近くにホテルを作ったりと派手に再開発をやらかしている。
ショッピングモールに移築物件
あべのハルカスがある向かいのブロックは
以前下町商店街だったが、ここも再開発ウェーブが押し寄せ
今やヴィアあべのウォークというショッピングモールになっている。
アーケード街になっていて壁面はタイル張りで
2階の吹き抜け部分にはイタリアンムードのファサード仕立てになって
周囲は丸亀製麺やパスタ屋といったチェーンや新興勢力だらけ。
そんな通りに、明らかに異質な「本物、大物感」を放出しているのが
今回お邪魔する「明治屋」だ。
再開発にあたって最後まで立ち退きに反対したらしいけど
最後は当時の店舗をそのまま移築するという
まるで「明治村」のような荒業を繰り出して復興させたらしい。
店内撮影NG
周囲の眩しさ賑やかさを無視するかの如く、
暖簾と看板の身というシンプルな佇まい。
強烈な「オーセンティック」感が滲み出でている。
お店は昭和13年(1938)に開業し、2010年に再開発でいったん閉店。
その翌年に当時の店舗とカウンターやテーブルなど
什器もそのまま持ち込んで再オープンした強者だ。
今年で創業86年の老舗。
店内は右手がコの字カウンターに、
左には2人掛けテーブルが10卓ほどと奥に小上り。
残念ながら店内は撮影NGなので雰囲気はこちらを参考されたし。
レイアウトはこんな感じ。
今回は2泊3日の行程で、滞在中に2日連続で訪問。
初日は連れと、その翌日は神戸在住の友人も加わっての連投。
連れは初日は昼と夜のダブルヘッダーをこなしているので
3回上陸という力の入れようだ。
ここは昼から営業しているけど予約NGなので、夜は満員で入れない可能性がある。
初日は18時過ぎで何故かガラガラだったのが翌日はギリギリ入店できた。
全国の銘酒を取り揃えていて、
入手困難の「新政No.6」も1杯600円で常備(たぶん半合くらい)。
アテは関西ならではの「きずし」(しめ鯖)や刺身、
から焼、揚げ、煮物のフルラインアップで500円前後とお手頃。
量はおひとり様用の小ぶりサイズなので
ちょこちょっこつまみながら飲める。
一応2時間縛りとのことだけど、ここもサク飲みするのが粋な感じだ。
客層もネクタイ族が多く、東京・十条の「斎藤酒場」に通じる風情。
なにわの王道酒場だなぁ。
今回はそんな「明治屋」をエクセルで描いたみた。
エクセル画のスペック
今作は稼働日4日で15時間ほど。
パーツ数1511。
こちらはドット版。
やはりタイルだらけだ。
エクセル画ざっくり作画過程
今回も出来上がるまでの途中経過をざっくり紹介。
初日
以前の建物をそのまま移築した、まるで明治村のような酒場。
タイルは過去作からの移植をひたすらコピペ。
小物が少ないので、早目に仕上がりそうだと思っていたけど956パーツ。
とりあえず1階部分はほぼ終了。
2日目
今日は店の入り口周りで照明と大型看板。
そして地味な割に手間がかかる左側タイル壁。
放射線は一本ずつ描くしかない。
残るは暖簾ともう一つの看板。
パーツ数1387。
3日目
今日は看板と暖簾。
残るは屋号入れ。
パーツ数は何故か昨日より減って1297。
過去作パーツの移植をするとカウンターがおかしくなる。
エクセル画バーチャル額装版
最後は屋号入れと微修正。
暖簾の「酒」と、左看板の文字はマウスで描きこみ。
そして出来上がったエクセル画のバーチャル額装版がこちら。
いつの日になるのかリアル額装したものを
お店にゲリラ納品したいわぁ。
【最後に】エクセル画ってどんなの?
「エクセル画」というと
エクセルのマス目に色を付けて描いていく
「ボクセルアート」、「ドットアート」を
イメージする人が多いですが
自分はエクセルに搭載されている「描画ツール」から
曲線や円、四角の基本図形やフリーハンドを使って
シートの上に線を描いて
それに色を乗せて積み上げて描く方法でやってます。
自分でブロックを作ってそれを組み立てていくようなものです。
こんな感じです。
エクセル画に腰を入れて描き始めてから
もう10年以上たちますが
ペンタブはどうも扱いづらくて
ずーっとマウスを使て描いてます。
かなりの変態画法です。
お付き合いいただきましてありがとうございました。